星期日, 4月 01, 2007

宇宙の騎士テッカマンブレード 幻の2年後バ-ジョン 「ラダム再び」編 第1話

○テッカマンブレ-ド 幻の2年後バ-ジョン 「ラダム再び」編 第1話
連合地球暦193年2月2日、ラダムの母艦はDボウイの捨て身の戦いによって崩壊
しその侵略も幕を閉じた、いや閉じたはずであった。だが・・・・。
ラダムによってフォ-マットされてしまった素体テッカマン達がフリ-マンの尽力に
より蘇生、その後宇宙開発や地球の復興の先兵として今や彼らは人類にとって無くては
ならない存在になった。
ふと仕事の手を止める声の持ち主、スペ-スナイツの新隊員Dr・フレイルである。
その15~16歳に見える顔の幼さとは裏腹に、目下フリ-マンとテックシステムの共同研
究を進めるやり手の天才科学者である。
“テッカマンか・・・・”
カ-テンを開け窓外を見るとここは何とORS・・。そう、スペ-スナイツはその本部
を地球の行政機関と共に、ORSに移していた。
 そんなORSの窓から見えるのは素体テッカマン達の働く姿。今や宇宙開発のエリ-
トとも言える彼らテッカマン。が、そんな彼らを見るフレイルの目は複雑であった。
“確かにテッカマンは地球を守った英雄だ。けれど人類は本当にテッカマンという存在
を気軽に受け入れて本当に良かったのだろうか・・”と。
その頃遠くの宇宙では・・・。猛スピ-ドで進む隕石群があった。その隕石は・・ま
るで生きているかの様に脈動しつつ進む、進む・・・・地球を目指して。
ORSの医療セクションの一室…。二つのケ-キ、二つの椅子、二人の影、けれど誕
生日を祝う声は一人・・・。
静かな…静か過ぎる22歳の誕生日……。愛する者はいる、平和な日々もある、だけ
どここに愛される喜びは無い。
アキはDボウイとの日々に疲れ始めていた。
“誰も、誰も何にも判っちゃいない!”
皿ごとケ-キを払いのけるアキ。その皿が鏡を直撃し、ひび割れる。鏡の一つ一つに写
るアキの顔は泣いている様に見えた。

 一方、金星の開発基地では・・・、突然のスクランブルが掛かっていた。太陽の黒点
現象により、謎の隕石群が接近していることに気づくのが遅れたのである直ちに発進す
る金星駐留のソルテッカマン部隊。だが・・。
その瞬間である、反応一つしなかったDボウイが突然悲鳴をあげて暴れ出したのは…
まるで何かに怯える子供の様に暴れるDボウイ。その額が感応に光る。
Dボウイの感応と時を同じくして突然隕石は姿を変えた。その瞬間ソルテッカマン達
の見たものは・・・・・異形のテッカマン、異星人テッカマンであった。一瞬の内に全
滅する金星の基地。
「テッカマンだ!ラダムが再び攻めてきたのだ!」
フリ-マンからの情報によると、Dボウイの感応によりテッカマンの接近は明らかな
事実のようだ。そして、今までの研究によりテッカマンはラダム人そのものでは無いこ
と、よって現在接近中の生命体は過去にラダムによって征服された異星人のテッカマン
であることが告げられる。今回のDボウイの異常な感応の仕方もそれに起因するもので
あろう、と。
つまり、Dボウイの今回感応した相手はまったく精神構造の違う異星人だ。そんな生
命体の剥き出しの心と感応するのは、彼に相当の苦痛であろう、と言うのだ。そしてこ
の感応が続けば、Dボウイの弱った精神と体では二日ともたないで有ろう、と・・・・
「あんな思いをして……、あれほどの思いをしてようやく手に入れたちっぽけな安ら
ぎ。だがラダムは……、それさえも私から奪い去ろうというのか」
この事を知ったアキは無力さを噛みしめていた。かつてのDボウイの戦いの時の様に
、今回も自分には祈る事しか出来ないのか。彼に残されたたった一つのものが、
命すらが奪い去られようとしているというのに……。
考えこむアキにフリ-マンは、地球製のフォ-マットによるテッカマンを作るという
計画をもらす。真先に志願するアキ。がフリ-マンはとめる。この実験はまだ未完成で
成功確率も低いからだ。その為フリ-マンは自らをモルモットに
するつもりだったのだ。
それでもと必死に講うアキ、がフレイルはそんなアキを安っぽいヒロイズムと
しかりつける。
テックシステムへ足を運ぶフリ-マン。が、その時だ!
 一発の銃弾がチ-フの足元に炸裂する!
「下がってください、チ-フ!」
どうしても、どうしてもDボウイの苦しみをみていられなかったのだ。
そんな手前勝手な理屈でテッカマンになろうとするアキにフレイルが叫ぶ。
「偽善者!」
「何とでも言って!例え1%でも、0・1%でも…Dボウイを(この手で)助けられる
可能性が有るのなら!」
人を呼びアキを取り押さえようとするフレイルを銃で止め、アキは装置を作動した。

 そのころ、軍本部で異星人テッカマンの目標コ-スが地球突入からORSの医療セク
ションへと変わったとの報告が入る。先発隊の目的がDボウイだと気づいたフリ-マン
は、直ちに彼の避難を要請、ラダムによるDボウイ再洗脳の可能性に気づいたのだ。ア
キがテックシステムからでてくるにはあと6時間は必要だ。ミリ-はさっそくDボウイ
を連れて逃げる。そしてそれを追う異星人テッカマン。更にそれを迎撃せんとするソル
テッカ部隊。かくてORSを舞台に市街戦がくりひろげられる。
ノアルも新型ソルテッカマンに載って出動、なんとか第一陣は倒す。その間にミリ-
たちはスペ-スポ-トに到着。Dボウイをブル-ア-スにのせて脱出させようとするが
、そこで第二陣の出現だ!が、第二陣はなんと群体生物!バラバラになった異星人テッカ
マンがソルテッカマンに張りつき、次々と自爆していく。その間に残りが対に
ブル-ア-スに突入、ついにDボウイも捕まった。
危うし、Dボウイ!
その時だ!光一閃、異星人テッカマンを真っ二つにしたのは・・・・・!
赤いテッカマン!アキである。
かくて異星人テッカマンは全滅したのだが・・・。戦いすんで、Dボウイの前にやっ
てきたアキを待っていたのは・・・・・・、Dボウイの恐怖に怯える顔。今のDボウイ
にとってアキは只のテッカマン、そしてそれは彼にとっては恐ろしいもの以外の何者で
もない。
「いや~~~~~~~~~~~っ!」
そしてアキは逃げた、絶望の叫びをあげながら・・・。
“何の為にテッカマンになったの、誰の為にテッカマンになったの、なのに・・・。何
故、何故、何故!”
そして異星人テッカマンを撃退したにもかかわらず、不安げなフリ-マン。
「あまりにも簡単すぎる。ラダムの真の目的は一体・・・・。」
かくて、各自の不安と絶望を乗せ、時は再び回り始める・・・。新たなる時が・・・

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